人類最大のエンターテイメントです
世界中で、小説は読まれています。世界初の文字による物語が作られたのは、日本です。世界最古の文字による物語は竹取物語といわれています。世界最古の長編の物語で言えば源氏物語ですが、いずれにしても生み出したのは日本です。
文字による物語を楽しむ文化・風習は世界中にあります。IT技術やAI技術、文明や文化がいかに進化しようとも、文字による物語を楽しみに、その中に意味を見出し、生きる糧やヒントを得ていくという人類のスタイルは、普遍的に残り続けています。
インタネットの普及と発展、または映像技術の進化により書籍の中に記された文字による物語は斜陽傾向にあるといわれていますが、電子書籍やその他テレビゲームと融合したサウンドノベルなどの形をとり、以前として人々の多くの方を楽しませ続けています。文字による物語を読むということ自体は古くからある文化ですが、その印象はずいぶん変化しています。日本では、かつては小説を読むことは堕落の第一歩といわれた時代がありました。現代では子供に漫画を読ませることをあまり好ましく考えていない親御さんや教師の方などもいますが、それと同じ感覚で、文字による物語を疎まれた時代もあったということです。物語よりも、現実社会に関して記述された論文やニュース、学術書が推奨されたこともありましたが、文字によって構成された物語は、完全な空想による産物ではなく、現実社会、人間の生き方に大変リンクしています。話の筋は架空のものでも、中に描かれている人間の心理や生き様、その背景などには真実があります。その有用性を世界中の多くの方が認めているからこそ、いまだに生き残り続けているエンターテイメントだということです。書籍が売れない時代といわれていますが、ベストセラーは頻繁に出ています。物語作家が執筆された完全オリジナルの物語がベストセラーになり、多くの方に読まれるということは今の世の中でも珍しくありません。映画やテレビドラマ、演劇などと違い、小説は自分の内面でじっくりと吟味し、構成し、一番理想的な情景を頭で作り出しながらストーリーを追っていきます。人間にとって一番良い形で記憶に残るエンターテイメントだと言えるでしょう。家のお部屋でも、電車の中でも、いつでもどこでも文字を読むことができますので、この楽しみは今後も残り続けるでしょう。文字による物語を読むことは、人類にとって一番の娯楽だと言っても過言ではありません。